曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

年頭にあたりて [No,1429、1月1日〜1月6日]

東海管区教化センター 神谷道宣 統監

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
私は、三朝祈願のご祈祷を厳修するにあたり、国土安穏、万邦和楽、管区内御寺院の山門繁栄と諸老師、山内寺族、檀信徒の皆さまのご多祥を心よりご祈念申し上げました。
 除夜の鐘は年の暮れ十二月三十一日子の刻、つまり平成十九年十二月三十一日午後十一時頃より平成二十年午前一時頃にかけ、行く年来る年にわたり全国津々浦々、多くの寺々で撞かれました。
 さて、過ぎし年平成十九年は、天災地変・心痛む事件・政治、経済の諸問題、また海外における多くの国々の争いなど、暗い出来事の多い年でありました。昨年の異常な気象は地球温暖化がその一因とも言われていますこの問題に関して我が国は、それなりの努力をしていますが、京都議定書の約束を十分に果たせないのが現実であります。最近米国、中国、印度など多くの国々が環境問題に真剣に取り組みはじめています。今年の洞爺湖サッミトでは、この地球温暖化の問題が中心議題となるのではないでしょうか。
 曹洞宗では「人権、平和、環境」の教化三大スローガンをかかげ、人々にこれらの意義の敷衍、意識化とそれにもとづく日常生活実践のため宗務庁、各管区、全国宗務所、全国管区教化センターなどを中心にさまざまな活動をしています。
 最近ロハスという言葉を耳にいたします。これは「健康と持続可能性」という意味の言葉で、一人の米国人が言い始めた言葉だそうであります。「持続」とは、人間がエネルギーを無駄に使わない生活スタイルを持続するという意味のことだそうです。人権・平和とともに環境問題は大変重要な問題であります。
 さて、元旦はまばゆいばかりの御来光を拝むと、人間なぜか身も心も引き締まり、身心ともに新たになったような気がし、人生の再出発の日というような気持ちがいたします。道元禅師さまは年頭にあたり、修行僧達に「各各人体、起居万福」とご挨拶をなさいました。これは修行僧はじめ、世の中の人々が身心共に幸せでありますようにという願いの言葉であります。
 管区教化センターにおきましては、昨年も管長猊下のお示しになられた告諭と曹洞宗のかかげる教化方針にしたがいまして、さまざまな教化活動を実践いたしました。例えばその一つに、前任者からの継続事業でありました、昭和時代のテレホン法話の活字化を、編集委員の皆さまの大変なご協力により実現し、配本することが出来たことであります。心より感謝申し上げます。昨年も日常活動として、皆さま方のご協力により、テレホン法話を継続発信いたしました。また、昨年度よりインターネットのホームページを開設し、そのネット上に、このテレホン法話の活字版と「道元さまの言葉」を掲載させていただきました。その他の教化活動として、特筆すべきは東海管区の管区長であられる清水政文老師と岐阜県宗務所管内関係者の皆さまのご理解とご協力により、元曹洞宗管長であり、大本山総持寺の禅師であられた板橋禅師さまを講師としてお迎えし、「禅をきく会」を岐阜県で開催することができたことであります。また、名古屋市での「禅をきく会」は例年の如く行いました。研修活動として、豊川閣を会場に長崎県から須田道輝老師をお迎えして管区布教講習会を行いました。また、毎月服部承風先生ご指導による詩偶講座など、さまざまな研修活動もいたしました。これらの行事や活動も、みなさま方のご協力のお陰であると感謝申し上げます。
 本年も管区内各宗務所の所長老師はじめ役職員の皆さま、管区内各ご寺院の皆さまのご指導とご協力を心よりお願い申し上げます。
 平成二十年は管区内の皆さまが、身心ともに健やかで、明るく・正しく・仲良き日暮しが出来ますよう、心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶させていただきます。

| top | 前のお言葉 | 826 | 827 | 828 | 829 | 830 | 831 | 832 | 833 | 834 | 835 | 836 | 837 | 838 | 839 | 840 | 次のお言葉 |