曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

日日是好日 [No,1441、3月24日〜3月30日]

愛知県名古屋市南区 成道寺副住職 中村嘉秀 師

 「光陰矢の如し」といいますが、今年も、はや4分の1が過ぎようとしています。
 情報技術の発達によって、世界中の多くの情報が一度に得られるようになり、便利になった反面、その目まぐるしい回転の速さに圧倒され、常に時間に追われているような気がするのは、私だけでしょうか?
 今回は、「時」というものについて考えてみたいと思います。
 時の流れは放たれた矢のように、一瞬さえもとどまることはなく、過去→現在→未来へと進んでいきます。厳密に言えば、「いま」と言葉を発した瞬間、もうその「いま」という言葉は過去になっているのです。つまり私たちは「現在」という一瞬の連続を生きていくことしかできないのです。
 ところが私たちは、いたずらに過去にこだわって思い悩んだり、不確かな未来を空想したり、また、占いや暦などに将来を託してしまったりします。しかし、過去や未来のことを考えたとしても、1秒たりとも過去に戻ったり未来に進んだりすることはできないのです。「現在」という、一瞬を積み重ねて生きていくことしかできないのです。
 禅の言葉で「日日是好日」という言葉があります。直訳すると「毎日が良い日である」という意味になりますが、毎日が良い日といわれてもピンとこないかもしれません。むしろ「良い日なんて滅多にない」そう思われる方のほうが多いかもしれません。
 果たしてこの言葉は何を意味するのでしょうか?
情報に踊らされたり、翻弄されたり、あるいはただなんとなく無駄に毎日を過ごしたりしていたのでは 良い日にならないはずです。
 【自分を見つめ、「いま」という一瞬を大切にしっかりと生きる〜そこに真実の生き方がある〜それが、かけがえのない良い日となる。】そう教えてくれているのではないかと思います。
 現在という「一瞬」の積み重ねが良い過去をつくり、良い未来をつくってくれるのではないでしょうか。

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