先日、久しぶりに奈良の法隆寺にお参りしました。法隆寺の一番新しい大宝蔵院に、夢違観音さまがおられます。高さ87センチの銅で造られた仏さまです。大きさから、法隆寺の関連の展覧会では、よく出張され、名古屋にも何度かこられました。
この観音さまが造られたころは、今から1300年ぐらい前で、日本に仏教が伝わって200年ぐらい、奈良に平城京ができる前のことです。同じころ、奈良の薬師寺金堂の有名な薬師三尊さまも造られました。
法隆寺は、私たちのお寺と違って、今の大学にあたる学問のお寺で、お経の研究をしています。また一方では、聖徳太子一族の霊をなぐさめています。
この観音さまは、江戸時代のころから「この仏さまに祈ると、悪い夢をみても善い夢に変えてくれる」といわれるようになり、夢違観音とよばれ、親しまれお参りされてきました。
法隆寺の多くの仏さまの中でも、やさしいお顔をされています。やさしいお顔にお参りすれば、悪い夢をみた恐い顔もやさしくなります。1300年も私たちにやさしいお顔をされ、人々の心を救い上げ、この世を見守りつづけています。
昨年からの、食品表示の偽装をはじめ、「偽り」の世がつづき、また石油をはじめ物価も上がってきました。悪い夢を善い夢に変えてくれる夢違観音さまに、良い年になるようにお祈りをしています。
奈良に行って、法隆寺にお参りすることがありましたら、ほかの仏さまほど、目立ちませんが、夢違観音さまを気に掛けてお参りしてください。
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