皆さんは、「西遊記」という物語を良くご存知だと思います。テレビでも放映され、最近では映画にもなり、三蔵法師をはじめ孫悟空らの活躍は、「人を信じる心」「仲間を大事にする心」といった最も大切な教えをストレートに人々に伝え、いつの世も不動の人気を誇っています。三蔵法師は、今から千四百年前の実在の高僧で、中国からインドへ仏教の奥義(人々が平和に安んじて暮らせる心のあり方)を究めるために、往復十七年の旅をして多くの経典を持ち帰りました。当時の旅行は、私達の想像以上に過酷な旅であり、後の世にそうした苦労話を元に、仏教の教え(むさぼり・いかり・おろかさという三つの煩悩との戦いを通じて、自らの心を清らかに高めていくこと。)が加えられ、私たちがワクワクドキドキする物語が作られました。私たちの一生は、まさにお釈迦様の説かれた生老病死という旅であります。この物語のように、日々いろいろな煩悩と戦っています。がしかし、いざ自分のこととなる、感動興奮などしていられず、欲張ったり、腹を立てたり、愚かなことをしてしまったりと、煩悩に苛まれています。ここは、ひとつ、孫悟空の如意棒のごとく、こういう煩悩が襲って来たら、「ウキー!」と一つ一つ打ち壊して行こうではありませんか。そして、孫悟空の頭にはめられている緊こ児(きんこじ、誰の頭にもはまっているはずである自分の心を戒めるたが)を今一度しっかりとはめなおして、こころを強く生きてまいりましょう。
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