曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

気が付けば、流行歌が降誕会のテーマソングに聞こえた [No,1495、3月30日〜4月5日]

静岡県静岡市 真如寺住職 山内常正 老師

 人気グループ「スマップ」のヒット曲に、『世界に一つの花』という歌があります。ご存知の方も多いかと思います。
 この歌のキーワードは、「オンリーワン」という言葉です。
 とにかく、私達は、「世界に一つ」という言葉を聞くと、「ナンバーワン」と思いがちです。でも、この歌は違います。「オンリーワン」としています。
 同じ「一つ」でも、全く意味が違います。「ナンバーワン」は、競争原理社会での最高の評価ですから、「全くの一つ」ということです。
 これに対して、「オンリーワン」は、この世の全ての存在を平等に捉える、慈悲の価値観ですから、「無数にある一つ」といえます。
 ご承知のように、四月八日は、お釈迦様のお誕生日です。
 お釈迦様は、お生まれになってすぐに、右手で天を、左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」とおっしゃいました。
 この言葉は、仏教の誕生を象徴したものですが、「自分とは、この世でたった一人で、他の何者とも交換できない尊い存在である」という意味です。まさに、「オンリーワン」のことです。
 もしこの時、お釈迦様が、誰かに「貴方は何者?」と聞かれたら、どうなされたでしょうか?
 きっと、にっこりと微笑みながら、天を指した指を、ご自身の鼻の前に当てて、「私は、私。この世でたった一人の私」とお答えになったのではないでしょうか?
 こう考えると、『世界に一つの花』という流行歌が、お釈迦様のお誕生日のテーマソングに聞こえてなりませんでした。

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