曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

子を思い [No,1480、12月22日〜12月29日]

岐阜県中津川市 浄光寺住職 福谷哲生 老師

 先日、テレビの教育番組を見ていますと、子供の仕付について大学の先生が講演していました。それによりますと、「あれこれ子供に押し付けていては、子供の発想や個性に良くない。教育に正しい答があるのではなく、色々な方向性や、答えなどはそれぞれにおいて幾通りもあります。親は自分が正しいと思う答えを子供に押し付けているだけなのだと。」
 私にも子供がいます。自分の浅い知識の中でこうしろああしろと押し付けていたのではないか。出来ないからと叱り付け過ぎたのではないかと反省しました。むしろ、何も分からない子供だからと軽んじていたのかも知れません。親が答えを決め付けるのではなく、子供が答えを出す為に、「こうしたらいいんじゃないかな。どうしたらいいのかな。」と導いていくことが大切なのだと思いました。
 私達が他人と接する時も同じことだと思います。自分の正しいと思うこと、良いことだと思う事でも相手にとって同じように受け止めるかはわからないのです。自分の考えと相手の考えがまったく同じだとは限らないのです。どんなに気心の知れた仲の良い友達同士でさえも、相手の為になると考えた意見や忠告をする場合にも、相手の心を傷つけないだけの細やかな配慮が必要なのです。自分の考えを相手に押し付けるのではなく、相手が返す答えを理解し、私が、相手がではなく、ともに正しい答えに近づくことが大切なのです。

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