謹んで新春のお慶びを申し上げます。除夜の鐘の音を聴くと身心ともに新たになり、身の引き締まる思いがいたします。
さて、昨年一月五日、曹洞宗大本山永平寺の宮崎禅師さまがお亡くなりました。百八歳の天寿を全うされました。そして新しく福山諦法禅師さまが永平寺の新しい住職にご就任なさいました。
昨年は内外ともに天変地変や犯罪の多い年でありました。国内では東北地方の大地震、海外では中国四川における大地震、ミャンマーでは巨大サイクロンによる大津波等々がありました。
一方、犯罪では親の子殺し、子の親殺し。東京秋葉原、通り魔殺人事件に代表される犯罪者の自己中心的な思いによる、いわれなき殺人事件など多くの事件が発生いたしました。本当に心の痛む思いがいたします。一体日本人の心はどこへ行ってしまったのでしょうか。
その他、一向に先の見えない経済の問題。地球温暖化の間題等々。
曹洞宗では「人権、平和、環境」の三つのスローガンをかかげ、さまざまな運動を展開しています。また、昨年より実践徳目として「愛語」をかかげています。愛語という言葉は曹洞宗の経典修証義第四章の中にある四つの実践徳目、布施・愛語・利行・同事の一つであります。この四つの徳目は互いに関連し合っています。ところで、私たちは日常生活の中で互いに相手の立場や心に思いをはせ、同事の心、慈しみのこころのこもった言葉を交わそうではありませんか。
「愛語は愛心よりおこり、愛心は慈心を種子とせり」これは道元禅師さまのお言葉です。仏さまの心、慈しみのこもった「愛語」の実践は互いの心の強い絆を築くことになるでしょう。
今年こそ世界の人々が、本当に平和で良き年でありますよう、心より念じ年頭のご挨拶といたします。
| top
| 前のお言葉
| 781
| 782
| 783
| 784
| 785
| 786
| 787
| 788
| 789
| 790
| 791
| 792
| 793
| 794
| 795
| 次のお言葉
|