曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

新年の挨拶 [No,1483、1月5日〜1月11日]

愛知県春日井市 松原院住職 舟橋清明 老師

 二〇〇九年、平成二十一年が始まり数日が過ぎました。新年の挨拶で家族や親戚に「あけましておめでとうございます、本年もよろしくお願いいたします。」などと挨拶しますが、これは「無事に新年を迎える事が出来て良かったですね、今年も健康に気を付けて頑張りましょう。」という意味も含まれているのではないでしょうか。
 さて、私たちがお唱えしていますお経『修証義』のなかに「愛語」という言葉が出てまいります、道元禅師様は『正法眼蔵』の中で「しるべし、愛語は愛心よりおこる、愛心は慈心を種子とせり」という句を残されておられますが、「愛語」は愛欲とか渇愛、苦しみからのがれたいというような自己中心的な愛の言葉とは違います。慈悲による他人への博愛のことであり、慈悲心からの言葉が「愛語」であると示されております。例えば母親が赤ん坊に接する様に、すべての他人に対しても同じように慈愛の念を忘れない事も「愛語」であると言われています。
 私たちは言葉に、「思いやり」や「願い」や「祈り」を込める事ができます、思いやりを込めた言葉が人を励まし、勇気付け支えになる事もあり、また、何気ないひと言で人を傷つけ、悩ませる事もあります。穏やかに、和やかに、お互いに尊敬し合い優しい言葉を発すれば、自然と心が通じ合い争いも減るのではないでしょうか。また、新年の挨拶も思いを込めれば「愛語」となり、「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」など日常の挨拶も「愛語」となるでしょう。「愛語」ある言葉をかけられる様努めて参りましょう。

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