曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

お経の功徳はどこへ行く [No,1490、2月23日〜3月1日]

愛知県田原市 光福寺住職 山崎哲司老師

 突然ですが皆様は、仏さまの前でお経をお唱えしていますか。
「お経は難しい」とか「解らない」と思っていらっしゃる方や「お経は仏様に上げる物の一つ」とお考えの方が多いと思われます。
 また「お経を唱えて何になるのか解らない」というのが大半ではないでしょうか。
 ここで、お経のお得な話を一つさせていただきます。
 皆様は「情けは人の為ならず」という言葉をご存じですか。
「情けは人の為では無く、自分の為ですよ」という言葉ですが、お経もこの言葉に近いものがあります。それは「お経は仏さまの為だけでは無いですよ」という事です。
 なぜかと申しますと、お経は一旦、仏さまに功徳の全てをお渡しいたしますが、その仏さまは功徳を独り占めするということがございません。
 ですから、そのお経の功徳は様々な所に届けられるのです。
 その分けられ方というのは、まず大きく七つに割って天上界、修羅界など、六道と呼ばれる六つの世界にそれぞれ分けられて行き、その中でまた別々の方に分けられていきます。
 さて、七つに分けられた功徳の一つが残っています。
 この一つの功徳は、お経を唱えられた方ご自身に返って来るのです。
 俗的な説明かもしれませんが、今日の世情に沿って申しますと、功徳を貯金と思ってみてください。
 元本は、あちらの世界に行った時にでも感じていただければ良いでしょう。
 利息である七分の一の功徳は、現世のご自分に貯まっていきます。こんなに利率の良い貯金もございません。
 ですので、折にふれ、お経をお唱えしてみてはいかがでしょうか。
 また、お経の解説本を見ていただくのも良いでしょうが、何回もお経をお唱えして、ご自身で感じていただければ、きっと新しい発見をされることでしょう。
 どうぞ皆様もお経に親しんでください。

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