曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

ことわざ [No,1493、3月16日〜3月22日]

静岡県浜松市 普伝院住職 豊田泰応 老師

 昔から沢山の「ことわざ」というものがあります。たとえば、「病は気から」あるいは、「百聞は一見に如かず」と言うようにまだまだ沢山の「ことわざ」がありますが、最近はあまりその「ことわざ」を耳にする事が少なくなった様な気がしませんか?何百年に渡って私達の生活の中から教訓として生まれ詠まれて来た「ことわざ」。若い時には何となく、古くさく難しくて良くわからず耳を傾ける事無く来た「ことわざ」が、五十歳を過ぎた今の私には、妙に気にかかり辞書を引っ張り出してはその意味を調べたりもしてみます。するとどうでしょう。なるほどなるほどで、納得することばかり。たった五文字から十五文字程の言葉の中に私にとっては、ものすごく大きな悩み、わだだかまり、迷い等の思いを一瞬にして表現しつつその先の自分の考えまで変化させてくれる「ことわざ」。何やら無言のうちに禅問答をしている様で不思議な気持ちになります。
 さて、ご視聴を頂いているあなたにこんな「ことわざ」をお届け致します。
 「食べる物はその日の内に・言いたい事は次の日に」、私が最近になって、お檀家のおじいちゃんより伺った「ことわざ」です。
 多くの人の手を借りて作られた食物、不平不満を言わず残さず頂く事が相手の気持ちに報いる事と物の命を大切にする事。また人から意見、注意等をされた時何となくいやな気持ちになり、ともすれば相手に向かって辛く当たってしまう事があります。一晩かけてゆっくりと、何故そう言われたのか良く考えなさい。そうすれば気持ちも落ち着き自分の為になる事を言ってくれたんだと、少しでも納得し受け止める事が出来ますよ、の意味だと思います。どの言葉をとっても自分自身を大きく成長させてくれるおかずです。今の私達の生活には的を得た「ことわざ」ではないでしょうか。どうか今年一年の皆様の私心として日々の生活にお役立て頂ければ幸いに思います。

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