先日のお葬式でのことです。その家ではおばあちゃんが亡くなり、二十歳ぐらいのお孫さんがお別れの言葉を述べました。
「おばあちゃん。私はおばあちゃんのようになりたい。おばあちゃんのように生きたい」私は、この言葉を聞いたとき、ああ、このお孫さんの心の中に一つの明かりが灯ったのだと思いました。
私たちは、より良い生き方をしょうと考えていても、毎日の生活に追われ、気が付けば自分がどう生きようとしていたのか分からなくなってしまっていることも多いでしょう。そんなとき自分を導いてくれるものは何でしょうか。
世の中には、生き方のヒントと題されたものから占いまで、人生の指南書と呼べる本もたくさんあります。しかし、一番力になるのは身近にいる人であり、尊敬する人の生き方ではないでしょうか。自分の生きていく道のはるか向こうに、その人の背中が見えているのです。苦しいことや困ったことがあったとき、あの人ならどう考えるだろう、どうするだろう。そう考えると、自分の進むべき道が見えてこないでしょうか。それは、真っ暗闇の中で行く道を照らす明かりが灯ったようなものです。あの人のように生きたい、と思えることは幸せです。たとえその人が亡くなっても、心の灯火は消えることがありません。いつまでも、進む道をあかあかと照らし続けてくれるのです。
あなたの周りにも、あなたの灯火となる人が必ずいるはずです。どなたの心にも灯火が宿ることを願ってやみません。
行く道を照らしたまいし亡き人の
消ゆることなき永久の灯火
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