曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

まず、身体と心をととのえましょう! [No,1512、7月27日〜8月2日]

教化センター布教師 愛知県豊橋市 龍守院住職 横井治彦 老師

 私達の心は、日常、野を駆け回る馬や、木の上を飛び回る猿のように、あちらと思えばこちらと落ち着きません。特に、私達の欲望という煩悩をくすぐるあらゆる物や情報が豊かな現代社会においては、「腹を立てるな!」「落ち込むな!」「欲張るな!」「俺が私がと、我を出しちゃいけない。」などと意識しても、私達の心はなかなかうまくコントロールできません。ですから、まず、自分の身体そしてその動作を整えることから始めてみませんか!朝起きたとき、夜寝る前、布団にきちんと座って背筋を伸ばし、両手を法界定印という形に結んで、おへその下に当てて、視線を約九十センチ位のところに定めます。わずか三分で結構ですから、つづければ、人には本来備わっている元気という気の流れが、うまく全身を循環します。それで、その元気によって理屈抜きに、履物を揃え、手を合わせてから食事を頂きましょう。それだけでも、自分をはじめ家庭が整ってきます。
 さらに次には、呼吸を調えます。心を呼吸に集中して、滑らかに無理の無い程度にまで細く長い息をして、吐く息を四秒間位、吸う息を三秒間位、というふうに十まで数えます。すると、あちらこちらと飛び回っていた自分の心が、落ち着いてきます。そうして、自分のととのえられた身体と心が実感できたら、「何としても生きて行こう!」という元気が、湧いてきます。昨今の世の中、お釈迦様が示された十重禁戒「人を殺すな!」「物を盗むな!」「人の悪口を言うな!」などの戒めに、著しく反する状況が、皆さんの元気によって、弱いものを慈しみ助け、強いものの不正には断固として怒る、正しい世の中にきっとなるはずであります。これは、身体と心をととのえる簡単な方法ですが、ぜひともすぐに実行していただければ、明るく楽しい人生が送れます。

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