曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

思いやりのある言葉 [No,1515、8月17日〜8月23日]

三重県伊勢市 西方寺住職 西脇章弘 老師

 皆様方は普段何気なく使っている言葉、又は会話というものを大事に使っていますか。人がこれ程までに発展できたのも言葉が使えたからでしょう。人は、話をすることにより自分の意思や考えを伝えたり、相手の気持ちを理解することが出来ます。また、自分の知識を子供や孫に伝えることも出来ます。ですが最近では小さな子供たちまでもが携帯電話やパソコンでのメールなど話をせずに画面とにらめっこをしていることが増えています。これでは人と人とのコミュニケーションもうまくなるはずも有りません。また大人の方々においても、自分の思いを伝えるだけになってはいませんか。
 道元禅師様は、修証義というお経の中で、「愛語」を使いなさいと教えてくださっています。愛語とは、好ましい言葉ということで温かい思いやりのある言葉を使いなさいということです。話をすることも言い方一つで全然違います。言い方一つでその場の雰囲気を良くも悪くもします。そんなつもりは無くても、知らず知らずのうちに他人を傷つけていることも有るかもしれません。皆様方も「そんないい方しなくてもいいのに」と思ったことはよくあるのではないでしょうか。また、「愛語よく回天の力あることを学すべきなり」と教えてくださっています。愛語を使うことは、天と地がひっくり返るぐらいの力があるということです。皆様方にも、なかなか仲良く出来ない人、また少し苦手な人もいるでしょう。ですが、この思いやりのある言葉を使い続けることにより、きっといつか仲良くなれると思います。先日テレビで昨年の殺人事件の半分以上が親子、親族によるものだと言っておりました。家族の中ですら話をすることが少なくなり、気持ちのすれ違いが多くなっているからではないでしょうか。ただ話をすることにさえ他の人を思いやることができるならば、こういった事は起こらないでしょう。

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