少しずつ暑さが増してくるこの時節
私が住んでおります寺では毎年この時期に「お衣更え」という法要が行われます
これはその名の通りご尊像が身に着けているお衣を肌着からすべて取り換えるという珍しい法要です
この法要には「如在の心」が端的にあらわされていると思います
如在とは女偏に口とかく如、過去現在の在と書き、いますが如くという事。
つまり「如在の心」とは、生きているかのごとくに接するその心ということになります。
ご本山永平寺さまでも、今なお雲水の方々が道元禅師様に生きているが如くにお仕えされておられます。
でも、これは何も仏様方のみに行うものではありません。
皆さんも同じことを行っておられますよね。
そう、お仏壇にお祀りされているご先祖様にお水やお茶、ご飯などをお供えおられますよね。
それらは物理的に減ることはありません。
けれど、それでもお供えします。
お供えの香り、お供えする皆さんの心をご先祖さまいただいているんですよね
あるお檀家さんで毎月のお参りに伺うとパンとコーヒーをお供えしているお宅があります。
奥さまは始め「おっさん、おそなえはご飯じゃなきゃダメ? お父さん、朝はいつもパンとコーヒーだったから」と尋ねられました。
わたしは、先ほどの事をお話ししてパンとコーヒーをお供えすることをお勧めし、現在も奥様は続けておられます
そこにはご主人を想う気持ちとあちらでの無事を祈る奥様の無垢なる心「如在の心」があらわれていると思います。
曹洞宗のホームページには「供養とは忘れない事」と書かれています。
受け継がれてきたいのちのバトン、そこに到る縁をつなげてくれたすべての存在を忘れることなく、縁によって生かされている「わたし」に本当の意味で気づけたらと願っております。
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