皆さんは、日常の会話では、どんなことに注意されていますか?
丁寧な言葉遣いでしょうか、或いは嘘のない誠実な会話でしょうか。
いずれにしましても、親愛の情を込めた会話を心がけておられることと思います。
日本曹洞宗の開祖、道元禅師さまも「愛語というは、衆生をみるにまず慈愛の心を起こし顧愛の言語を施すなり」とお示しになり、相手に接するとき、まごころからの言葉を語りなさいと勧めておられます。
では、まごころからの言葉とは、どの様に語れば良いのでしょう。
あるとき、それを深く学ばせて頂く機会がありました。
皆さんは「阿弥陀堂だより」という映画をご存じでしょうか。
都会から故郷の山里に戻った小説家の夫婦が、阿弥陀堂を取り巻く人々や風景との交わりの中で次第に癒されていくお話です。
この映画の中で「小説とは、阿弥陀さまを言葉で作るようなものだと思います」という会話が出てくる場面があります。
この場面を観たとき、道元禅師の説かれた愛語とは「仏様を作る言葉」のことなのだと感じました。
それも自分の内ではなく、相手の内に作ることであったのだ、と気付かせて頂きました。
皆さんも今までの人生の中で、恩師或いは友人、一冊の本などから生き方を導いて頂いた言葉の一つや二つはあると思います。
今、あなたが思い出した「正しき道を歩む支えになる言葉」それが愛語です。
そんな言葉を相手に語れたらどんなに素晴らしいことでしょう。
愛語を語れるよう日常に誓いと願いを込め、自分の周りに一人でも多くの仏様を増やして参りましょう。
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