曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
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「喜捨」のこころ  [No,1531、12月7日〜12月13日]

愛知県豊川市 源深寺住職 渡辺亮弘 老師

「喜捨」という言葉をご存知でしょうか?喜ぶという字と捨てるという字を書いて「喜捨」と読みます。
 お賽銭をあげられたことがあると思いますが、そのお賽銭箱に「喜捨」と書いてあるものがあります。
 この喜捨は、お寺や神社に寄進したり、人にお金や物を施すこと。とされております。よく喜んで捨てると言われますが、本来「喜」と「捨」は別々のことであります。
 「喜」とは、苦しむ心を捨てて、人の幸せを共に喜ぶ心。
 「捨」とは、恩や苦しみの心を無くし、人々を分け隔てなく見る心です。
 何もお賽銭をあげることだけが喜捨ではありません。
 日々の生活は人の世話を受けなければ生きていけません。誰であれ、人のお世話になるということは、少なからず迷惑をかけていると気にしてしまいます。そして世話をする方は、負担に思うことがあると思います。
 しかし、お世話になるということは、ひとに「人を助ける喜び」を実感させてくれる大切なことなのです。お互いに助け助けられ共に喜ぶことが出来るのです。
 私達は「人に迷惑をかけてはいけない」という気持ちが強くあります。人のお世話になることを「迷惑をかけること」だと思ってしまいます。
 しかし、そういう時こそ、
 「喜んで世話になりましょう。」
 喜んで世話をし、喜んで世話になる。素敵なことだと思います。そしてそこには、喜捨の心があると思います。
 私たちは普段、苦悩の多い生活の中で生きています。これは人間である以上仕方のないことかも知れません。しかし、だからこそ時には、この喜捨の心を思い起こして頂きたいと思います。
 「喜」とは、苦しむ心を捨てて、人の幸せを共に喜ぶ心。
 「捨」とは、恩や苦しみの心を無くし、人々を分け隔てなく見る心です。

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