曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

池にフナが居なくなった「環境間題」 [No,1534、12月28日〜1月3日]

教化センター統監 愛知県田原市 法蔵寺住職 神谷道宣 老師

全国どの町や村も同じなのでしょうが、私の住んでいる町にもいくつかの溜め池があります。私の子供の頃にはその溜め池で泳いだり、魚取りをしたものでした。その池には鯉、鮒、泥鰌、メダカなどさまざまな魚が居ました。ところが最近これらの魚の姿が見あたりません。一体どうしたというのでしょう。
 実はこれらの溜め池にはブラックバスなどに代表される外来の魚が住みついていたのです。ご存知かと思いますがこの魚は食肉性で、在来種である鮒や鯉等を食べていたのです。このような魚は本来このような池にいるわけがありません。それは心ない釣り人がこれらの魚を池に放したためと言われております。釣り人にとっては引きがよく、こたえられない感触を味わえるのだそうです。しかしそのために在来種の魚がほとんど姿を消してしまったのです。一部の人達の身勝手によってこのようなことが許されて良いものではありません。往古よりつづいた魚の生態系がほとんど壊されてしまったのです。これは溜め池の魚の話でありますが、例えば地球温暖化の問題も二十世紀に人間の身勝手が犯した許されざる所業の結果ということでしょう。世界規模の異常気象例えばヨーロッパ。インド、中国などの洪水被害も温暖化が原因の一つとも言われています。かけがえのない母なる地球の環境は絶対壊してはなりません。
 曹洞宗では人権・平和・環境を三大スローガンとしています。これらを守ることがお釈迦さま、道元さま、瑩山さまのみ教えに適うからであります。

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