曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

合掌は寄り添う御縁の姿 [No,1543、2月22日〜2月28日]

静岡県富士宮市 萬松院住職 吉田宏得 老師

幼い時に、指の名前を「お父さん指・お母さん指・・・」と習いました。私は、合掌する時に常々思います。これは自分の家族のみを示した呼び名ではなくて、人生には父の様に生き方の指針を示してくれる人。母の様にそっと優しく支えてくれる人。兄の様に叱咤激励してくれる人。姉の様に辛く挫けそうな時癒してくれる人。赤ちゃんは、自分より若い世代の愛しい人と考えられます。これらの方達が関っている御縁で、自分の人生が守られていると感じます。
 合掌の掌・手の平をタナゴゴロとも読みます。手は心の現れを動作します。時には人を傷付けたり、時には優しく労わったりと、同じ手なのに心の動き一つで、行動が変わります。ですから、心を置く棚でタナゴゴロと呼ぶのだと、私は解釈しています。     
 その掌を合わせると、仏様・御先祖様そして両手の指が示す大勢の方々。これらが、私を守り支えて下さっている事が感じられ、自ずと感謝の念が湧いてきます。そっと静かに両手を合わせると、今ある御縁が仲良く寄り添い私を守って下さる様に温かく思えます。     
 人生の経験を沢山積み、その苦労と歴史が刻まれた皺々の手。働き盛りの活力に満ちた躍動感ある手。将来の夢に向かって精進している青年の手。艶々の初々しく可愛い幼な児の手。どんな手を合せても、仏様と周囲の御縁を、有り難く受けてと感じることができる姿勢が、合掌の姿だと思います。皆さんも手を合わせて、大勢の御縁を感じて、そのぬくもりに感謝して下さい。安らかな心が現れて来るでしょう。その時、あなたが仏様と同じになると信じます。

| top | 前のお言葉 | 721 | 722 | 723 | 724 | 725 | 726 | 727 | 728 | 729 | 730 | 731 | 732 | 733 | 734 | 735 | 次のお言葉 |