曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

ご来光に手を合わす [No,1545、3月8日〜3月14日]

三重県熊野市 最明寺住職 桝本幾穂 老師

子どもの頃の記憶に、隣のおばあさんが日の出に向かって一心に手を合わせ、見入っている姿をよく目にしたものです。富士さんでご来光に感激している人たちの姿もよく見ます。
 なぜあんなにも感激するのでしょうか?
ある朝、私は白々と明け来る太平洋をみやると、水平線のかなたが黄金色に、そして橙色に、赤い色にとゆっくりゆっくり明けゆく美しさに目を見張りました。
 すると、間もなく真っ赤な大きな太陽が少しだけ顔を出し、見てる間に大きく丸くなって昇って来ました。
 少し眼を放した隙に、もう太陽はどんどん上にあがって行くのです。
 真昼の太陽と違って「地球は動いている、時間というのは過ぎ去って行くのだ、今日という日を大切に精一杯生きよう」という気持ちが、この時ほど湧き上がってきた事はありませんでした。
 この地球という大地に、優しく太陽の光に包まれながらわが身が迎えられる思いがいたしました。
道元さまのお歌に「峰の色 谷の響きもみなながら わが釈迦牟尼の声と姿と」
とあります。
 まさに私はその朝、知らぬ内に手を合わせておりました。
 宇宙からみた母なる地球は透明なほど青く澄み切って観え、神々しいほどのまばゆさだと云います。
 宇宙飛行士は「宇宙には神がいる」と実感するそうです。
 朝太陽の昇る姿を拝む時、まさに世の中のもの全てが神に仏に包まれている、生かされていると実感いたします。
 今日も地球に優しくそして感謝の心で元気に頑張って行こうではありませんか。

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