曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

飼い主は犬に似る [No,1553、5月3日〜5月9日]

愛知県常滑市 総心寺住職 吉田 文司 老師

犬は人につき、猫は家につくといわれますが、いつもヒモにつながれている犬より、路地でゆったりと寝そべっている猫くんの方が、至って自由を満喫しているように見えます。しかし、家の人に常に無償の親愛の情を示す犬たちは、飼い主にとって実に愛すべき家族であるに違いありません。
 また一般に「犬は飼い主に似る」と言いますが、「飼い主は犬に似る」という方が当たっているのかもしれません。
たとえば犬を散歩に連れている人を見ると、「犬を」ではなく、「犬に」散歩に連れていってもらっているように見える人もいます。
 その人たちは、もし犬を飼っていなければ、あまり散歩をしなかったかもしれません。すると次第に出不精になり、親しく呼びかける相手もおらず、その為に体も心のはたらきも活発にならず、肥満傾向にあるかもしれません。そう考えると、人は犬を飼うことにより、散歩や会話、すなわち少しは健康に良いことをするようになり、つまりは犬に生活態度を変えさせてもらっているわけです。故に「飼い主は犬に似る」のです。
 高齢の入と年老いた犬が、連れ添って歩いている姿を見るとき、をぜか人間同士で歩いているより、お互いの心が通じているように思えます。
 私も犬を2匹飼っています。散歩もしていますし、犬のおかげだけではないと思いますが、家族との会話、散歩中にいろいろな人との会話も出来ているわけです。大変なこともありますが、犬には長生きしてほしいと思っております。

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