以前、イタリアの修道院に数日間滞在する機会がありました。
そこで知り合った修道士の方々には、穏やかで落ち着いた雰囲気がありました。そして、一緒にいるだけで、こちらまで落ち着いた気分になることができました。
修道士は団体で生活し、一生をその修道院で過ごしますが、それぞれに自分の部屋があります。そして、一人になって、お祈りや瞑想をする時間を必ず持っています。
修道士たちがいつも穏やかで、落ち着いている理由は、そこにあるのではないか、と私は思いました。
私たちのふだんの生活を振り返ってみると、仕事や心配事に追われ、心が落ち着くことはあまりないように思います。
仕事がない時でも、いつも何か考え、何かをしなくては、というあせりにも似た気持ちでいることも多いようです。
「凪」という言葉があります。風がやみ、波が穏やかになることです。私たちの心にも、「凪の時間」が必要です。一日のうち、ほんの少しの時間でも、一人になって、すべての仕事や心配事から解放される時間を作ってみましょう。
目を閉じ、楽に呼吸します。そして、大きかった波が穏やかになっていく様子をイメージしてみてください。特別に部屋を用意する必要はありません。朝起きた布団の中でも、トイレの中でも、どんなところでもかまいません。
凪の時間は、穏やかで落ち着いた気持ちを、あなたに与えてくれるでしょう。
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