曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

教えながら学ぶこと [No,1565、7月26日〜8月1日]

静岡県下田市 龍巣院副住職 宮川大輝 師

息子が小学校に入学しました。幼稚園へ通っていた時と比べると、朝起きる時間は、二時間も早くなり、軽かった小さな手提げは、大きなランドセルに代わりました。
 重いランドセルを背負いながらの、集団登校のすがたを見ながら、「どの子もみんな、よくがんばってるなあ」と感心させられます。
 学校から帰ってくると、外でサッカーや野球に夢中になっています。体はへとへとのはずなのに、夜眠るまで、ずっと活動は続きます。
 あるとき友達と一緒に部屋いっぱいに遊び道具をひろげて、遊んでいるときがありました。夕方、友達が帰る時間になって、かたづけが始まりましたが、遊び道具を少し部屋のすみに寄せたぐらいで、「はい、かたづけ終わり」といって、散らかった部屋を後に、はやばやと退散してしまいました。
 こんないい加減なかたづけではいけないと、「しっかりと、かたづけをしなさい。使ったものは、その時そのとき、かたづける」と叱った時です。「お父さんだって、いつもかたづけ、してないじゃないか」と、どきっとする言葉が返ってきました。確かにその通り、子どもに言ったことを、自分が出来ていないのは事実。そして、その時の話し方は、わたしが怒ったときにそっくりでした。
 子どもたちは、「ことばで言って聞かせたことよりも、大人の言葉遣いや行動を真似するんだなあ」と、反省させられます。
「他人に教えるとおりに、自分でも行え。自分をよくととのえた人こそ、他人をととのえるであろう。自己は実に制し難い。」お釈迦様のお言葉です。
「他人に教えるとおりに、自分でも行え。自分をよくととのえた人こそ、他人をととのえるであろう。自己は実に制し難い。」
 言っていることと、行いが一致しなければ、ひとに教えることは出来ないようです。
 自分自身の行いを何度も点検し、正しい言葉と正しい行いが一致するように、努力していきましょう。

| top | 前のお言葉 | 691 | 692 | 693 | 694 | 695 | 696 | 697 | 698 | 699 | 700 | 701 | 702 | 703 | 704 | 705 | 次のお言葉 |