曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

挨拶は心のみだしなみ [No,1571、9月6日〜9月12日]

愛知県名古屋市南区 法泉寺住職 加藤正幸 老師

みなさん、こんにちは。今週は挨拶についてお話をさせていただきます。
 挨拶とは言うまでもなく「おはよう「さようなら」などと人と人とが言葉を交わし心のふれあいを持つものですが、本来は仏教語で挨という字は「押すこと」、拶という字は「せまる」という意味で、師匠が弟子に、また修行僧同士が、言葉や動作で相手の修行の様子をうかがい、どの程度まで悟りの境地に達しているかを試すことを意味する言葉でした。
 さて、最近では大人、子ども関係なく挨拶が出来なかったり、「ありがとう」「ごめんなさい」といった言葉が言えない人が増えてきているように思います。なかには家族の間でさえ「おはよう」の一言も交わされないといった話も聞いたりします。ささいな感情のもつれから発生する凶悪な事件が多発しているのも、こういった事が原因の一つではないかと思われます。
 人間の心はとても不安定で時には自分自身に、時には他人に対していらだった感情が起こる事もありますが、そんな時こそしっかりと挨拶することが自分を落ち着かせ相手を尊重することになると思います。
 挨拶ができれば全てが上手くいくとはいいませんが、一人一人が笑顔で元気よく「おはよう」「おつかれさま」と言葉を交わしていくことが心を豊かにし、明るい健全な社会を構築していく第一歩ではないでしょうか。

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