曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

姿勢について [No,1578、10月25日〜10月31日]

愛知県田原市 西湖院副住職 小原良淳 師

毎年夏になると、禅のつどいということで小学校の3年生から6年生の子どもたちがお寺に来ます。もちろん坐禅をすることが主な目的ですけれども、私も3度の食事を一緒にとります。そのとき目につくのが背中を丸めて食事をとる子どもです。椅子が普及してずいぶん時間が経ちますが畳の上で背筋を伸ばす機会が無いのでしょうか。わが家にも4歳になる男の子がいますが、食事をとるとき背中をまるめたり片膝をついたりしていまして、よく背中を押してやるものです。
 姿勢が悪いといいますと、一番最初に思い当たりますのが猫背です。猫背になると見た目の印象があまりよろしくないのはもちろんですが、胃や腸に圧力がかかり消化不良や下痢など、内蔵の機能が低下することがあるようです。さらに背骨には内臓をコントロールしている神経があり、そこに圧力がかかるのは精神的にもあまり宜しくないと思われます。ストレスの原因にもなるのではないでしょうか。
 曹洞宗には身心一如という教えがあります。しんじんはからだとこころ、いちにょはいったいという意味です。つまりこころとからだはひとつ、ということになります。言い換えますと、心が整っていれば体がととのい、体が整えばおのずと心が整うということになります。良い姿勢をとることによって体を整え、心を安定させたいものですね。
 わたくしたち僧侶が修行道場に入りますと寝るとき 、朝のお勤めや坐禅、掃除、廊下を歩くとき等細かく姿勢が決められています。最初は煩わしく思うこともありますがなれてくるとなかなか気持ちが良いものです。みなさまも一度、ご自身の姿勢を見ていただき、姿勢を正されてはいかがでしょうか。

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