曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

自分の人生は自分で楽しむ [No,1593、2月7日〜2月13日]

静岡県袋井市 積雲院副住職 鈴木雅樹 師

「次はドッチボールやろうよー」
「だめ!次はおにごっこやるの!」
「やだやだ。サッカーやっていたい」
さっきまで仲良く遊んでいた子ども達が、突然喧嘩を始めた。そのうちに、一番下の子どもが泣き出した。
(やれやれ…)
と思って椅子から立ち上がると、
「じゃあ、じゃんけんで決めよ」
と一番上の子が言い出し、
「最初はグー、じゃんけんポン!」
とはじめた。
「やったー、勝ったー。ドッチボーやろう!ドッチボールやろう!」
じゃんけんに勝った真ん中の子は両手を上げて大喜び。もう、ドッチボールのコートを足で引いている。しかし、じゃんけんに負けた上の子はぶつぶつと怒り、一番下の子は泣き続けている。
「お父さんもやろう!」
と真ん中の子に呼ばれ、重い雰囲気の中、気乗りしないまま、四人でドッチボールを始めた。
いざゲームが始まると、大はしゃぎの真ん中の子につられてか、怒っていた子も泣いていた子も、
「次は当てるよー」
とニコニコしながら、しかも真剣にボールを投げ始めた。
子どもが楽しそうに見えるのは、また、自分の子ども時代に楽しい思い出があるのは、どんなことでも、まず、自分が一生懸命に目の前のことに打ち込めたからではないだろうか。自分が一生懸命やるからこそ、相手も一生懸命になる。お互いが真剣に打ち込む。それがとても楽しいのである。
 二月十五目はお釈迦様が亡くなられた日。お釈迦様のもとにたくさんの人が集まり、たくさんの人がその教えを聞きにきたのは、お釈迦様が、誰よりもその自分の人生を、一生懸命に楽しまれていたから。
 あなたは自分の人生を誰よりも一生懸命に楽しんでいますか。

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