曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

言葉をかけ合うということ [No,1637 H23年12月12日〜12月18日]

静岡県袋井市 長命寺副住職 加藤高敏 師

仏教には、「愛語」という言葉があります。これは人に対して優しい言葉、慈しみの言葉をかけることです。
 今ここに、日本放送出版協会が調査した「日本人の好きな言葉」というアンケートの結果があります。これは、16才から29歳と、60歳以上の二世代に分けて好きな言葉を聞いたものです。両世代とも5位〜2位までは、それぞれの世代を特徴づける言葉が挙げられました。しかし、1位の言葉は両世代共同じ言葉になりました。それは「ありがとう」という言葉でした。世代を越えて、人に言っても言われても心地の良い言葉というものは、同じであることが分かります。
 最近、細胞学という学問において、お酒や醤油を作る際、樽の前でクラシック音楽や、キレイな言葉をかけると、分子の結晶の角がとれて、味がまろやかになるという研究報告があります。また、昨年、イグノーベル賞を受賞した研究に、乳牛に名前を付け、毎日話かけることによって、名前を付けられた乳牛は、名前をつけられていない乳牛をより乳を多く出すというものまであります。これは、名前を呼ばれることによって、細胞に何らかの変化があったと考えられています。
 人間の体は、60兆個の細胞で構成されています。つまり、人間もキレイな言葉をかけ合うことによって、心も体もキレイになるということです。逆に、汚い言葉をかけ合えば、お互いに心も体も不浄なものとなってしまいます。
 人に対して思いやりの言葉、慈しみの言葉をかけるのは、なかなか難しい時もあります。ほんの小さなことでもいいので、お互いにキレイな言葉をかけ合って、心も体もキレイになっていきましょう。

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