先日、仏壇開きがありました。これまで、お仏壇もご供養もなく、奥様の百ヶ日にあわせ、お仏壇を整えられてのことです。はじめてのことで、どうお祀りしていいのか分からないご様子です。
「真ん中にいらっしゃる方が、お釈迦様なのは分かりますが、両脇のお方はどなたなのですか?」とのご質問に、「一仏両祖といって、右側が曹洞宗を開かれた道元禅師、左側が曹洞宗を広められた瑩山禅師ですよ。ご先祖様をお守りいただいている仏様方なので、まずはじめにご挨拶しましょう。」などと説明し、そのほかにも日頃のご供養の仕方などをお話しました。ご親戚もいらっしゃる中、お仏壇との付き合い方についての談義にもなりました。
「お盆をはじめ、禅宗の「お仏壇のおもり」は大変だ。一連のお盆の行事が終わると、「ほっとする」という方もいらっしゃる。」などなど。
確かに、禅宗に限らず一般家庭にとって、「お仏壇のおもり」は大変なようです。その大変な「おもり」を、しっかりこなしてみえるご家庭は立派で、功徳もあることです。しかし、わたしは、この「お仏壇のおもり」という言い方があまり好きではありません。こうしなくちゃいけないから、という義務の気持ちがみえるからです。心からの気持ちなく、言われたからしている「おもり」では、仏様に通じませんし、苦労を伴っていては長続きもしません。
両親や連合い、子供に接するように、してあげたいと思うことを仏様にして差し上げるのが、気持ちよいご供養ではないかと思うのです。
今日は、うれしいことがあったから報告する。つらいことを相談する。
お仏壇に語りかけてみると、心の中の仏様・ご先祖様は、きっと答えてくれるはずです。
ある奥様は毎朝、新聞を供えてからお参りをされています。故人の好きそうなデザートを見つけると、いつもお供えされるご主人もいます。しきたりにこだわらなくても、心のこもったお供え・お参りは必ず通じるものです。
日々の生活のなかで、あいさつをするように手を合わせお参りすることが、永く気持ちよいご供養の秘訣ではないでしょうか。
お仏壇の中の仏様も、皆さんの大事なご家族なのですから。
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