平成二三年三月十一日、日本中の誰もが想像すら出来ない程の大災害が発生しました。十九日、東栄町を出発し、長野県上田市を経由して車を走らせて、被災地宮城県に向かいました。
そして、被災地を初めて目の当たりにしたとき、あまりの烈しさに言葉を失ってしまいました。
これまで、阪神淡路大震災、新潟中越地震、スマトラ沖大津波のスリランカの現場にも立ったことのある私ですが、今回はそれまでのものと比べられない程違っています。日本中の人々がみんなで力を結集して立ち向かわなければ、とても乗り越えられるものではないことを強く思います。
阪神のときは、炊き出しを中心に一月から三月まで土曜日曜はお寺に戻り月曜から金曜は現地で活動しました。中越地震では、地元のうどん屋さんに千人分の手打ちうどんの提供をいただき被災した方々に喜んで戴きました。スマトラ沖大津波でのスリランカでは、五千人のご遺体の埋葬に立ち会いスリランカのお坊さんといっしょにご供養させていただきました。
いろいろな被災地でボランティア活動をさせていただくと、多くの被災者から感謝の御言葉を頂戴します。その言葉で疲れどころか、エネルギーを戴き、そして自分は良い人かな、仏様にちょっと近づけたかなと思ってしまいます。
修証義第四章発願利生では自らが未だ渡らざる先に他を渡すなりと有ります、その方法を四つに分けて示されています。
布施 智恵の有る奴は智恵を出せ、銭の有る奴は銭を出せ、智恵も銭もなけ
れば汗を出せ
愛語 心から湧き出る慈悲の言葉は心に和みを生みます。
利行 人に喜んでいただける程、幸せなことは有りません。
同時 辛さも苦しさも同じ目線で感じ合いましょう。
仏様、菩薩様の真似をいたしましょう。今こそちょっと無理してでも良い人のまねをいたしましょう。そうすると本当に日本中が、仏様・菩薩様で溢れることでしょう。
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