曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

三つの「たかぶり」 [No,1635 H23年11月28日〜12月4日]

静岡県牧之原市 心月寺副住職 大山裕貴 師

今日は、お釈迦様がお話した三つの「たかぶり」についてお話させていただきたいと思います。
 「たかぶり」とは、調子に乗って、やりたい放題やることです。
 お釈迦様は、今から二千五百年ほど前に王様の子として生まれ、何不自由ない生活を送り、そこから家を出て修行をして、お悟りを開き、仏教という教えを広めた方です。
 お釈迦様は、ある時、お弟子さん達にこのようにお話しされました。
「皆さん、私は家を出て修行の生活をする前は、とても贅沢な生活をしていたが、ある時、今は若くてもいつかは年をとり、年寄りになっていくことに気づいたら、若いからといって調子に乗ってやりたい放題することを恥ずかしいと思うようになった。
 次に、今は健康であっても、いつかは病気になるかもしれないことに気づいたら、健康だからといって、調子に乗ってやりたい放題することを恥ずかしいと思うようになった。
 次に、今は幸せに生活することが出来ても、いつかは死んでいかなければならないことに気づいたら、今の生活が当たり前のこととは思わなくなった」。
 お釈迦様は、お弟子さん達にこのように三つの「たかぶり」をやめて、自分と自分の周りの人を大切にして、譲り合いの心、助け合いの心をもって生活するようにと教えました。
 私たちの周りでは、良い事、悪い事、色々な事が起こっています。テレビをつけて、ニュースを見ていても、色々な事件が起こっていることを知ることが出来ます。その中には、「可哀想だなぁ」「残念だなぁ」と思うこともあると思います。そんな時、「でも、自分には関係ないな」と思うのではなく、自分のいつもの生活の仕方を気をつけてみると、「もしかしたら他人事じゃないかもしれない」と思うことがあるかもしれません。
 私達が生きている間も、自分と自分の周りはいつも変わり続けています。悪い事が良くなっていくこともあるし、良い事が悪くなってしまうこともあると思います。
 今健康で生活出来ていることに感謝をして、自分の好き勝手にせず、周りの人と一緒に生活をして、心の中に幸せを作っていくことが出来ればいいなぁと思います。

| top | 前のお言葉 | 631 | 632 | 633 | 634 | 635 | 636 | 637 | 638 | 639 | 640 | 641 | 642 | 643 | 644 | 645 | 次のお言葉 |