曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

新春のよろこびは感謝から [No,1640 H24年1月1日〜1月8日]

東海管区教化センター統監 岐阜県恵那市 清楽寺住職 百瀬文康 老師

年頭に当たり、皆々様のご多幸をご祈念申し上げます。
昨年は、教化センターテレホン法話をご利用下さり、ありがとうございました。本年もなにとぞよろしくお願い致します。
さて、毎年、年賀葉書を読みながら思うことがあります。それは、新年の挨拶に、新春、賀春、迎春、最近では春風献上など、「春」の字が多く使われていることです。そこで、「春」という字を調べてみますと、陰暦の1月、2月、3月のことで、昔から用いられてきた春を迎える祝い言葉が、今迄受け継がれてきたということ、また、年の始めや、ものごとの盛んな時期、勢いのいい状態を表す文字、更に「春」の字はもともと、桑の芽がのびる有様と、太陽をかたどって作られたという意味があるようです。
「古今集」という歌の本に「よみ人しらず」の次のような歌があります。
“春ごとに 花のさかりは ありなめど あい見むことは いのちなりけり”
<春が訪れる度に花が咲く、それを確かめるのも命があってのこと、生きているのは何と素晴らしいことだろう>という意味で、新年の気持ちを歌ったものとも受け取れるようです。
2012年、辰年。本年も仏様のご加護をいただいて、この世に生命をたまわっていることに感謝をささげつつ、新春のよろこびをかみしめたいものです。

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