皆さん、こんにちは。今は梅雨の季節です。ついつい私達は、毎日雨が降り続くと「うっとうしいなぁ!」と思いがちです。しかし、大自然の営みから見てみれば、植物や動物達がこれから暑い夏を乗り切るために、必要な水分を蓄える大切な時期でもあります。
また、梅雨といえば雨の季節というイメージを私達は持っていますが、昨今の異常気象のせいか、晴れの天気が続くカラ梅雨の年もあります。更に、田植えの時期でもあるという印象がありますが、農業技術の変化により一カ月以上も早まっているのが現状でもあります。今から2500年程前に、お釈迦様はお悟りを開かれ、この世の万物すべてのものはお互いに影響し合って、常に変化しっぱなしという諸行無常の道理を示されました。
梅雨という自然現象一つを取ってみても、何十億年という地球の営みの中では、ほんの一瞬の出来事にしかすぎません。大きく見れば、地球上の生き物にとって必要な水の循環なのに、それを長雨はうっとうしいなどと言うのは、人間の勝手な思惑です。
そのことは、昨年三月に起きた東日本大震災後の状況を見ても明らかです。「津波は来ない」とか、「原子力発電は安全である」という勝手な想定をして、いざ災いが起こると、想定外の事が起きたので、仕方ないことにしてしまうのは、人間の奢りです。
私達は、大自然の前にもっと、もっと謙虚でなければなりません。他の生物や自然の力に依って生かされているという人の道の原点を、今一度思い起こしてください。どうも今の世の中は、「自分の力で生きている」と大部分の人々は思っています。大自然に対する有難さと怖さを知るべきです。
この梅雨の時節に、雨の恵みの水に依って私達生物の身も心も潤されていることを感じ取って、体と心の養生に努め、共に人生の正しい道を歩んで参りましょう。
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