曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

二つの絆 [1682 H24年10月22日〜28日]

静岡県袋井市 蔵泉寺住職 水野克彦 老師

今年の夏は、4年に一度の夏季オリンピックが、イギリス ロンドンにて開催されました。今回の大会において、日本人選手団は、一九八四年に行われた、アメリカ ロサンゼルス五輪で、獲得した総メダル数三十二個を遥かに超える三十八個の過去最多のメダルを獲得する好成績をおさめました。
 日本人選手が、メダル獲得後のインタビューにて「コーチ サポートしてくれた多くの方々、遠い日本から応援してくれた沢山の人々のおかげで、メダルを獲得する事が出来ました」とインタビューに答える姿をテレビにて、拝見し日本人って素晴らしい!日本の心の文化って素敵だ!と感銘いたしました。
メダルを獲得するまで選手達は、厳しいトレーニングを乗り越え、心の強さを築き選手自身の力により生まれた強さの結果がメダルに結びついた事は言うまでもありません。
しかしながら、選手たちは、サポートしてくれた人 応援してくれた人の支えによって今の自分があると言っていました。
日本人の心の奥底には、共に生きる。自分一人で生きているのではなく、沢山の人々と繋がり。支えられ、今の自分が生かされている事を、知らず知らずに心に刻み生きている素晴らしい日本の心が脈々と先人から繋がり現在の日本人の心を支えているという事実が今回のオリンピック大会にて垣間見ることができました。
このようにわたくしたちは、人々と繋がり生きて生かされているのです。
一つには、共に生きる絆(共生)同じ時の流れ 同じ時代を共に生き、助け支え会い生きる横の繋がり。
もう一つは、先人から受け継ぐ絆(因縁)過去から現在そして未来に繋がる縦の繋がり。
この二つの絆を太く強く繋ぐことにより自分自身の生活が、より豊かになり、より充実した物に変わるのではないのでしょうか?
二つの絆「共生・因縁」それは私たちの人生の中で大切な物でもあり後世に伝える日本人の心の源かもしれません。

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