皆さんは、幸せってなんだろうと考えたことはありますか。
私は、仕事がうまくいったときや欲しい物が手に入った時など様々思い浮かびました。
しかし、その時は幸せで満たされますが、しばらく経つと、また次から次へと求める心が出てきてしまいます。
金子みすゞさんの「わたしと小鳥とすずと」という本にこのような詩があります。
「わたしが両手をひろげても、お空はちっともとべないが、とべる小鳥はわたしのように、地面(じべた)をはやくは走れない。わたしがからだをゆすっても、きれいな音はでないけど、あの鳴るすずはわたしのようにたくさんなうたは知らないよ。すずと、小鳥とそれからわたし、みんなちがって、みんないい。」
私はこの詩に出会ったとき、とても幸せな気持ちになりました。この詩には当たり前のことが詠われているように思います。私と小鳥とすず、それぞれが違いを認め合い、支えあって生かされている様子に清々しくさえ思えてきます。
道元禅師様は「永平広録」の中で、「人人具足(にんにんぐそく)なり、箇箇円成(えんじょう)なり」と、いかなる人であっても、仏様の心が具わっており、自分自身のなかですでに完結している事実を示されています。
私は、幸せってなんだろうと考えてみたとき、自分自身の外に追い求めようとしていました。もちろんそういったものも必要なことですし、大切なことです。しかし、まずは自分自身のなかにある「こころの豊さ」に気付くことも大事だと思いました。それこそが自分を、さらには他人を幸せにする第一歩だと思います。
皆さんも自分のこころを見つめ、幸せってなんだろうと考えてみてはいかがでしょうか。
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