12月8日は、お釈迦さまが真理をさとられた成道の日です。お釈迦さまがお生まれになった降誕会、お釈迦さまがお亡くなりになった涅槃会とともに三仏忌にかぞえられます。
12月8日の朝まだ明けきらぬ時、菩提樹のもとで禅定に入っておられたお釈迦さまは、菩提樹の葉を揺らす爽やかな早朝の風を感じ、空を見上げて明けの明星をご覧になりました。その瞬間、この世の真実を会得され、心に宿っていた煩悩は跡かたもなく消え去ったのです。ここにゴータマ・シッダルタは目覚めた人ブッダとなりました。
お釈迦さまがブッダとなられるおよそ6年前、カピラ城を出てより、長い苦行をなさいましたが、苦行で苦しみは解決できませんでした。そしてネーランジャーの河畔で疲れた身体を休めていた時、村の娘が差し出した乳粥で体力を回復し、菩提樹の下で禅定に入ったのです。すべては移り変わりゆく存在であり、私自身も変わりゆくものであることを覚(さと)られたのです。真理を知ることで、心を覆(おお)っていた自分勝手な欲望執着がなくなって、真に人としての自由を得ることができたのです。
お釈迦様は、教えを広めることで、この先永遠に人々が苦しみから解き放されるように願い、世の人々を救わんと心に固く誓われました。そこで最初に、苦行をともにした5人の比丘に教えを説かれました。法輪が転じられたことで、仏教が始まり、世の人々は救いの人、釈迦族の尊者として讃えたのです。
梅花流詠讃歌に「明星」という曲がございます。
“明の星 仰ぐ心は 人の世の 光となりて 天地(あまつち)にみつ”
お釈迦様は、夜明けの空に輝く明けの明星をみて正覚(悟りの意)を得られました。そして、人々を苦しみから救うため、お悟りを解り易くお示しになりました。
お釈迦様は人々を導く無上に尊い人と讃嘆(さんたん)され、教えは人々を苦しみから救う光となって広まり、時を越えて伝えられています。
12月8日、成道会。私は、仏教誕生日と思いこの日がやってくると世の人々が年末年始で賑わうより、何週間も早くとても気分良く機嫌よくなります。皆さんも12月8日がくるとうれしくなって下さい。
ありがとうございました。
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