あけましておめでとうございます。
「松に古今の色なく、竹に上下の節あり」と申します。1年365日の中の同じ1日に過ぎないとはいえ、お正月というのは格別に身の引き締まる心地がいたします。新年を迎え、元旦より新しい目標を立てられた方も多いのではないでしょうか。昔から、年の元(はじめ)、月の元、日の元を三元といって、おめでたい日であるとともに、その年、その月、その日をいかに生きていくか、指針を立てるために非常に大事にしてきました。そこで「一年の計は元日にあり、一日の計は朝(あした)にあり」といわれてきているのです。
また、寺院に於いて(各お寺で若干違いがあるようですが)、元日明けやらぬ早朝から三が日にかけて、「修正会(しゅしょうえ)」と呼んで、その年一年の国の繁栄と平和、五穀豊穣をお祈りする法要を行います。修正の“修”とは、修行の"修“で、つまり、自分の心を磨き精進する事。修正の”正“とは、正しいということ。”正“しいという漢字は、”止“めるという字の上に”一“をつけますね。また、止めるという漢字はそもそも、足の形を表す象形文字で、足が目標に向かって直進する様子だそうです。つまり、”正“しいの一字には、よくない事は止めて一筋に邁進するという深い意味があるのです。また、修正(しゅしょう)という漢字は、別の読み方をすれば「しゅうせい」という熟語になります。間違いや誤りを改めて正しくするという意味ですね。ですから、年の初めに心を修正し、以後正しく生きていく事を決意する訳で、だからこそ一月の事を仏教読みで正月というのです。
また、新年の”新“という字は、”あらた“とも読みますが、実はこの”新た“、”洗った“という言葉からきています。洗った結果、”新た”になるのです。日々心の中に溜まっていく澱(おり)を洗い流し、心機一転、新しい歩みを進める。お正月は自分の心をリセットする、またとない節目だと思うのです。
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