曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

私達の中に流れる仏教の心 [1705 H25年4月8日〜4月14日]

愛知県豊橋市 勢徳寺徒弟 大橋道心 師

日本人の宗教離れが言われております。
「あなたは、何の宗教を信仰していますか?」
という質問に答えられる日本人はとても少ないと聞いております。
 私たちには、生まれながらにして、仏教の心が流れていると思います。それは私たちが日常使う日本語の中に、御先祖様、先人方が残して下さった仏教の心が込められているからです。
 「いただきます。」という言葉は、「命」をいただくということです。命というのは、私達の血や肉になる為に亡くなっていった命のことです。お米なら、それを育てた方、お米ができるまでに亡くなっていった沢山の生き物達、育てる土台となった土地、天気。ありとあらゆるものが、私たちの糧になっています。それに思いを巡らす事が、この言葉に集約されています。
 お粥という言葉は、御をつけてお粥と言います。飯と言わずに御飯と言います。お米、お野菜、お味噌汁、おかず。
 日本人は、このように命を大切にしてきました。それが日本語に表れております。このことを仏教の心と言わずに、何と言うのでしょうか。

 近年、日本で出される食糧廃棄量は、年間2200万トンと言われています。一人当たりの年間廃棄量は183sにも及びます。その反面、世界では一日に4万から5万の人々が食べ物を食べられず亡くなっているという現実があります。

 今、自分の目の前にある食事にしっかりと目を向けて、大事にいただくこと、その一歩一歩が世界の平和に繋がっていくことであると思います。そして一人一人が仏教徒であるという自覚を持つことで、生きている世界がより素晴らしいものになると信じています。

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