曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

優しい言葉 [1715 H25年6月17日〜6月23日]

静岡県 灌渓寺副住職 加藤仁道 師

みなさんは「和顔愛語」という言葉を聞いたことがあるかと思います。意味を調べてみると「和顔」はやさしげな顔つきのこと。「愛語」は親愛の気持ちがこもった言葉。とありました。和やかな笑顔と、優しい言葉、ということでしょうか。
私は以前、毎朝高速道路を利用することがありました。今のように、ETCと呼ばれる便利な装置がなかったものですから、料金所で一時停止をして係の方に料金を支払います。係の方もいろんな人がいてある方は笑顔で「おはようございます」「ありがとうございます」と声をかけて下さる方もいれば、一言もしゃべらないで厳しい顔で事務的に対応される方もいらっしゃいました。前者の方場合は、こちらも「ありがとう」と声を掛けたりして、何かその日一日が、明るく気分良く過ごせた気がしました。逆に後者の方の場合は、何かこちらも朝から気が沈んだのを覚えています。修証義というお経に「愛語というは、衆生を見るに、まず慈愛の心を発し、顧愛の言語を施すなり」とあります。まさに、和やかな笑顔と優しい言葉は、他人の心も豊かにし温かくしてくれるという事だと思います。
しかし、優しい言葉だけが愛語という事では無いのではないでしょうか。相手の事を心配し真剣に考えて、掛けてくれる厳しい言葉は、その厳しさの中にも優しさが感じられるのではないのでしょうか。ただ感情に任せて発せられる厳しい言葉でななく、相手の事を思いやり、発せられる言葉は、どこかが違うはずです。自分の廻りに、そんな言葉を掛けてくれる方がいるという事は、大変ありがたいことだと思います。私には二人の子供がおります。その二人にも常にこんな気持ちで声を掛けていきたいと思っています。

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