曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

娑婆(しゃば) [1716 H25年6月24日〜6月30日]

静岡県 龍興寺住職 大賀泰隆 老師

仏教語の中に娑婆という言葉があります。娑婆とは、インドのサンスクリット語、「サハー(saha)」を音写して漢字にあてはめたものです。その意味は「忍ぶこと」漢字に意訳すると忍ぶ世界、忍界となります。
私達は、心の内に無数の煩悩を秘めており、また思い通りにならない天候や社会があり、様々な苦悩を抱えて、耐えながら日々を生きています。仏教では、そんな苦しみの多い現実社会を娑婆と表現しました。
苦しみに耐え、悲しみに耐え、時には楽しい事もある、その中を生きていくのですが、すべての物事が刻々と変わってゆき、苦しみと楽しみが繰り返される無常の世界です。娑婆に生きている私達には、喜怒哀楽がつきもので、喜びや楽しみがあり、怒りや悲しみがあります。
仏教では、皆共に修行し、迷いや苦しみの世界から、悟りの世界へ到る事を願うものであります。その修行とは、日々の日常の中にあり、人々に施しの心をもつ事、自を正しく戒める事、まじめに日々の生活をおくる事、心を落ち着かせて定める事、腹をたてず穏やかな心で接する事です。
日常の生活では、怒ったり、腹をたてたりしないというのは大変むずかしい事ですが、日々感謝の気持ちで、心穏やかにお過ごしいただきたいと思います。

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