曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
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お盆休みの過ごし方 [1723 H25年8月12日〜8月18日]

静岡県 長命寺 副住職 加藤高敏 師

皆さんはお盆休みをどのようにお過ごしでしょうか。生まれ故郷に帰省する人、海水浴に行く人、最近では海外へ旅行に行く人が目立ちます。しかし、「お盆休みっていったい何ですか。」と聞かれて、正確に答えられる人はどのくらいいるでしょうか。
本来のお盆というのは、自分のご先祖様を供養するためにあります。何故供養するかといえば、ご先祖様がいなければ自分がいないわけですから、自分が生きていられることに感謝するために供養します。またそれだけではなく、自分が生きていく上で支えてくれた人。支え合ってきた人への感謝を再確認する時期でもあります。それは家族だけでなく、友人であったり地域社会であったりします。
私の地域では、お盆に大念仏という伝統芸能があります。これは私の地域にすむ20代から70代までのひとで、太鼓や鐘、笛の音色に合わせて踊りながら念仏を唱え、初盆のお宅へ供養に伺います。私の地域では念仏踊りが夏の風物詩でもあります。
地域の人たちがお盆休みを削って、地域の為に念仏踊りを踊ります。地域の人たちにとっては、お盆にどこかへ出掛けたという記憶はありません。しかし、誰もが地域のためという一つの思い持っているため、それを苦にすることなく、何十年も伝統を守ってきました。念仏を踊っていると後ろで子供たちが見ていますが、この子供たちが大人になって、また念仏踊りをし、地域を守っていきます。
私の地域では、お盆の時期、念仏踊りを通して、亡き人や地域の人たちと向きあい感謝し、またそれを後世へと伝え、お互いの支え合いを強めます。
お盆の過ごし方は人それぞれあるとおもいますが、一度お盆休み本来の意味に立ち返って、自分のお世話になった人と向き合い、今一度感謝し、人と人とのつながりを更に強めていく機会にしてみてはいかがでしょうか。

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