皆様、どのお方でも虹をごらんになられたことはあると思います。
雨上がりの空に掛かる虹は大変うつくしく、心も癒されたことでしょう。
ではその虹の色は幾つありましたか?もちろん七色とお答えになると思います。
最近では海外旅行も盛んですので、海外で虹をご覧になる方も多いのではないかと思いますが、そのときの虹には幾つの色がありましたか?
おそらく皆さんは、どこの国で見ようと七色に決まっている、とお答えになるでしょう。ところが必ずしもそうではありません。
例えばドイツの人に聞いてみると、虹は五色だと言うそうです。
イギリスやアメリカのような英語を使う人々は六色と答える方が多いようです。
その国々で虹の見え方が異なるわけは無いはずですから、これはどちらが正しいのでしょう。これはどちらも正しいとも言えるし、どちらも間違えているとも言えるのです。
虹の色は切れ目無く連続しているのですから、本当は色の数を7とか5とか数えることはできません。使う言語の習慣、特定の文化によってなされる解釈にすぎないのです。
しかし、私を含め多くの日本人は虹が五色だとか六色だと言われると、おかしなことを言われているかのような錯覚、誤解を生じがちです。
さて、普段の生活において、相手の立場や心情を思いやり、相手の身になって物事を考えることがいかに大切かは、皆さんもご承知の通りでしょうし、日々実践されている方ばかりだと思います。
ただ、その時にはたして自分はどこまで相手の心に寄り添えているのか、今一度考えるきっかけをお持ちいただいても良いかもしれません。
虹の色に喩えたように、自分では当然と思うことが、実は客観的な事実でしかないといことは、気づかないうちに自分のまわりに増えてしまっていないでしょうか。
相手を思いやることの大切さは説明するまでもありませんが、そのことの難しさは改めてお考えいただいて、自分の発言や行動を見つめ直してみてはいかがでしょうか?
私も引き続き精進させていただきますので、どうぞ皆様もお考えいただけたら幸いです。
ありがとうございました。
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