曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
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絶対幸感 [1737 H25年11月25日〜12月1日]

岐阜県 瑞巌寺 住職 巖晃司 老師

 本当の幸せって一体何なのでしょうか?このテレフォン法話は、皆様方のお耳に届けさせていただくお話だからこそ、今日は【音】という点に注目して、本当の幸せとは一体何なのかについて考えていきたいと思います。

 【絶対音感】という特殊能力をご存知でしょうか?一つの音を耳で聞いただけで、それが何の音かが分かる音の感覚を言います。それでは皆様方に絶対音感があるかどうか、一度確かめてみましょう。今から2つの音を鳴らします。どちらの音がドでしょうか? 
@ 番 ♪
A 番 ♪
分かりましたでしょうか?正解はA番のこの音がドです。
正解せされた方は、絶対音感をお持ちかもしれませんね。分からなかったお方も、大丈夫です。まだ第2問があります。2問目は、絶対音感ではなく相対音感があるかどうかを調べます。次の2つの音は、どちらが高い音でしょうか?
@ 番♪
A 番♪
これはもちろん、A番ですよね?
今回大切なのは、正解したかという点ではなく、2問目の相対音感よりも1問目の絶対音感の方が難しかったという点です。つまり、音と音を比べることは簡単でも、たった一つの音だけを聴いて、それがなんであるかを判断することは難しく、そして迷ってしまうのです。

 幸せも同じなのではないでしょうか?私たちが本当の幸せを見失ってしまう原因は、いつも比べてばかりいるからです。あっちの方がいい、こっちの方がいい。比べてばかりいては、私たちはいつまでたっても満たされることがありません。音も幸せも同じなら、絶対音感の音という字を幸という漢字に変えて【絶対幸感】とでもいうべきでしょうか?この絶対幸感があれば、本当の幸せが何かを見失うことは無くなるはずなのです。

 絶対幸感とは正しいものの見方です。他と比べるのではなく、目の前にある一つ一つのものを正しく見つめる事です。それは、みんなちがってみんないいんです。この世の中にあるすべてのものは、何も隠さず、ありのままの姿で真実を語っているのですから。

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