曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

ありのままに受け入れる [1737 H25年12月2日〜12月8日]

岐阜県 薬師寺 住職 松原義範 老師

 十二月のことを「先生(師)が走る」と書いて『師走(しわす)』と言います。十二月は学校の先生が忙しくなるという意味のようです。
 ところが、『師走』の主な語源は「お寺のお師匠様であるお坊さまが、お経をあげるため、檀家さんの家を、東に西に走る月」だということだそうです。忙しいのは、学校の先生もお寺のおっさまも同じなのですね。
三十九歳で出家されたお釈迦さまは、数年間インド各地でご修行され、ガンジス川の近く、ブッダガヤの菩提樹の下で坐禅修行をされ、お悟りを開かれました。そのさとりを開かれた日が、この十二月の八日のことなのです。仏教はじまりの日です。
 私たち人間は、この世のあらゆるものを見たり、聞いたり、感じたり、考えたりして、自分勝手に『それは良いとか、悪いとか。』、『それは愉快とか、不愉快とか。』、『それはただしいとか、まちがっているとか。』と判断して、迷い悩んでいます。
 しかし、よく考えてみてください。宇宙のあらゆる存在は、わたしたち人間が、見たり、聞いたり、感じたり、考えたりする以前からありのままに存在しています。
 お釈迦様は、『般若心経』の中で、『色即是空 空即是色』と説かれています。わたしたちの生きている世界はありのままに存在しています。わたしたちは、般若の智慧によって、この世のすべてを、ありのままに受け入れるように心がけたいものですね。

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