今年も終わりが近づいて参りました。どのお宅も、年末の準備で忙しくなってきたと思います。そんな中ですが、最近一日中喫茶店やゲームセンターなどで過ごす、お年寄りの話を耳にします。確かに近所の喫茶店はいつも満員です。しかし、コーヒーが飲みたいから、ゲームがしたいからではなく、人と会って話をしたいから集まるそうなのです。このことから人間が求めるのは、人間同士のふれあいにほかならないとわかります。心にあることを他人に全部話してきいてもらうことにより、心が軽く楽になり安心を得ることができるのです。
現在の世の中を見るに、人間同士の縁が薄れている無縁社会となっております。インターネットにより、顔も見ず知らない人とやり取りができますが、あくまで文字だけのことであり、何の責任もなく、いざという時何の助けにもなりません結局相談する相手もなく、いじめ・虐待・自殺などの悪い状況へとつながってしまいます。
これらを解消していくのは人間同士の会話、話す・聞くという単純な事と思います。特に聞くという姿勢は、他人を思いやり共に生きる、仏教のことばで「利行」といいますが、この利行の実践に他なりません。再び人間同士の絆を強めていくため、その関わりの中で利行の教えを思い出していただければ幸いです。
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