曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

「いただきます」「ご馳走様」は約束です [1748 H26年2月3日〜2月9日]

愛知県 長興寺 副住職 田中真丈 師

最近、法事の後席についたとき、「いただきます」という前に、食事を始めた子がいました。又、学校給食の場でも、「うちの子には、そんなことを言えと教えていません。」と発言する親がいるようです。
 みなさんは「いただきます」と言うときに、どのような気持ちで言っていますか?
 私たち僧侶が人に会い挨拶をするとき、合掌して頭を下げます。これは相手に対して敬意を表す意味を持っています。相手を敬い、尊い存在だと、体で表現するのです。
 「いただきます」「ご馳走様」の合掌も、これと全く同じ意味合いを持っています。食べ物に対して敬意を抱く。その心が形となるのです。
 私たちは命あるものを食べなければ、生きてはいけません。命を宿っているということは、たとえ動物といえども、親、兄弟、子供、そんな関係をもったものを、私たち人間の手で殺しているのです。そうしなければ生きてはいけません。
 近年私たちの生活は物に溢れ、この一食を食べられる喜びを忘れています。食事をする、ということは、食育をすることです。食育とは「食べる」ということに関して、命の尊さを勉強することです。「いただきます」「ご馳走様」の合掌は、今から頂戴する「命」の尊さを学びますという、約束なのです。
 このことを、是非家族で話し合って下さい。そして親の口から子供に伝えて下さい

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