昨今、仏像ブームと言われています。
仏像に興味のある人が増え、仏像に会って心がなごみ、安らぐと感想をいわれます。
仏教にはもともと『仏像』はなかったのです。つまり、「教えそのもの」がおシャカさまです。
しかし、多くの人々に仏教を伝えていくには、形あるものを通して、はじめはおシャカさまを、おシャカさまが悟りを得た『菩提樹』、教えを広める『法輪』、説法に歩かれた足あと『仏足石』、などで表していました。おシャカさまはこうごうしくて、姿を現してはいけない存在で、教えを口伝えに伝えるだけでした。
その後、百年、二百年と経つと、教えも伝わりにくくなり、文字をつくり、お経の本としてまとめました。姿も、西から来たギリシャ文化に触れて、仏像が生まれました。
仏像に会って、心がなごみ、安らぐとは、会っている私たちにも、電波とラジオ・テレビの関係のように仏像から発する力を理解する心があることです。
仏像ブームといわれるように、多くの人々が仏像に興味を持たれることは、おシャカさまの教えを受ける一歩であります。
私たちは、心の中におシャカさまの教えをわかる力を持っていますし、仏像の座っている姿、つまりおシャカさまの悟りを得たときの姿、座禅をすることで、おシャカさまに近づいていきます。この世の中に生まれてきて、心に感じるおシャカさまの教え、目で見える仏像に会えただけでも、すばらしいことです。
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