曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

布施の実践 [1751 H26年2月24日〜3月2日]

愛知県 円通寺 住職 加藤康由 老師

本日は布施についてお話させて頂きたいと思います。
曹洞宗のお経、修証義の第四章に布施という言葉が出てまいります。道元禅師は、その修証義の中で、布施というは貪らざるなりとお示しになられております。
 さて、皆さん、布施というとはどのような事を思い浮かべられるでしょうか?
現代、一般的には、お仏壇、お位牌、お墓など、ご先祖様のお供養の為にお坊さんにお経を読んでもらい、その御礼として支払うお金が布施であると思い浮かべられた方が多いかと思います。
 もちろんそれは間違いではございません、お坊さんの読経の御礼、そのお布施は財施という布施になります。
そして布施には様々な方法があります。
 そこで、本日は、いつでもだれでも実践できる『無財の七施』という七つの布施の方法をお教えさせて頂きたいと思います。
 一つ、やさしいまなざしを人に送る(目の布施、眼施)
 二つ、にこにこと笑顔で人に接する(顔の布施、顔施)
 三つ、やさしいことばを人にかける(言葉の布施、言施)
 四つ、労をいとわず身体を使って人につくす(体の布施、身施)
 五つ、なにごとにも心をこめて人のためにつとめる(心の布施、心施)
 六つ、座席を人にゆずる(床座施)
 七つ、部屋でひとを休ませてあげる(房舎施)
初めにお話させて頂いたように、布施の精神は『布施というは貪らざるなり』と説かれ、なにものをも惜しまないでほどこしをすることです。そのとき大事なことは施しても誇らず、施しを受けても卑屈にならないことです。ものの多少、大小、軽い重い、を考えない行為であります、自分の出来ることをなにか世のためひとのためにさせていただく行為であります。このかけがえのない布施行を共に実践してまいりましょう。

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