曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

仏様はどこにいるの? [1754 H26年3月17日〜3月23日]

静岡県 無量寺 副住職 白井善洋 師

 お彼岸の季節になり、ご先祖様にお参りする時期になりました。この頃になりますと、お墓でよく手を合わせて、ご先祖様にお参りをされているご家族の姿を拝見いたします。その時、仏様は一体どこにおられるのか、知っておられますか?
私は、以前お檀家さんに質問されたことがあります。 普段我々は、お年忌やお墓参り・お彼岸など、いろいろなところに手を合わせてお参りするのですが、仏様はどちらにおみえなのでしょう?あの世でしょうか?お仏壇の中でしょうか?それともお墓?お寺の位牌堂にならいらっしゃるでしょうか?それとも、もっと別の場所でしょうか?
 私は、次のように答えました。どこにでもおられるし、どこにもおられないのではないでしょうか。皆様は、お参りするときに心の中で、もしくは言葉に出して、「ご先祖様・・・」とか「おじいさん・おばあさん・・・」とか「お父さん・お母さん・・・」とおっしゃっていませんか? 在りし日のお姿を思い起こしたり、感謝や尊敬の念を込めてご先祖様達を想ってお参りされていませんか?
その想いはどこでしているのでしょうか。皆様の胸の中、心でするのではありませんか。ですから、皆様のお心の中に、仏様はおみえになるのではないでしょうか。どこにもおられないと言ったのは、お仏壇やお墓、お寺、お位牌といったものは、想いを致す場所であり、ご先祖様達を象徴するものであります。どこにでもいると言ったのは、仏様は皆様一人一人のお心の中にいらっしゃるからです。
“手を合わせ 心におわす ほとけかな”
手を合わせ、ご先祖様達に思いを馳せるとき、いつでもどこでも仏様は身近に寄り添っていてくださるのではないでしょうか。と、たどたどしくお話しさせていただきました。
その時のお檀家さんは、「ほぅ。」と言って納得していただけたようですが、皆様はいかがでしょうか。


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