曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

思いがけない一通の手紙で [1755 H26年3月24日〜3月30日]

静岡県 常久院 住職 松尾知彦 老師

私の所属している教区では、毎年夏休みに小学生を対象とした「子供禅の集い」という行事を実施しています。1泊2日の日程で坐禅・読経・写経・講義・レクリエーション等の内容で、お寺の中で生活します。私は2年前から担当者となっていて、今回も8月に仲間のお坊さん、奥さん達と一緒に、約80名の子供たちと2日間を過ごしました。写経中に震度3の地震が起きたり、雨が降ったり止んだりの不順な天候の中「子供禅の集い」は無事終了し、子供たちを保護者の方々に引き渡しました。
後日活動の様子の写真と報告書を保護者の方々に送ったところ、数日後にお手紙をいただきました。
 お礼の言葉を頂き、さらに続けて次のように書いてありました。
「写真を拝見しなるほど子供達の嬉しそうな声が聞こえてきそうです。家族で旅行に行き、 帰る折、プールに向かったり部屋に向かったりしながら『ありがとうございました』と言う娘に、主人が褒めますと『お寺でしてきたよ』と元気に答えておりました。お陰様で一つ成長させて頂いたと感謝しております。」
 こういう内容のお手紙でした。
私たちがしたことが、子供たちの成長に少しはお役に立てたのだなと、このお手紙の言葉にとてもとてもうれしくて、私の方が皆さんに感謝しています。
「子供禅の集い」を計画し実施していく責任と労力を、重荷に感じ始めていた時に、思いがけない一通のお手紙を頂いて、気持ちがいっぺんに前向きになりました。
一つの言葉、一つの行動が縁となり結果を成して、人生を作っていくのではないでしょうか。私も一つ成長できたように思います。

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