曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

磨けば光り輝く [1758 H26年4月14日〜4月20日]

静岡県 大慈悲院 住職 野原全州 老師

子どもは、どんな才能を持ってこの世に生まれてくるかわかりません。しかし我が子を光り輝かせたいという気持ちは、いつの時代またどの国においても変わることの無い、親としての自然の願いだと思います。
 ところで皆さんが子どもの頃、親や先生など周りの大人たちから「将来何になりたいの?」と聞かれたことがあるのではないでしょうか。
 現在の調査によると小学生男子が答えた将来の夢は、1位「サッカー選手」2位「学者・研究者」3位「野球選手」。小学生女子では、1位「パティシエ・お菓子や」2位「教員」3位「医師」だそうです。
 もちろん私にも将来の夢がありました。「戦隊ヒーロー」「ラーメン屋」「バンド歌手」「体育教師」など様々な思いを描きました。またこの話を聞いてみなさんも昔の自分を思い浮かべたかもしれません。
 その中で小学生くらいまでは肯定的に応援してくれていた周りが、中学生ぐらいから更に上になるにつれて、否定的な表現へ変化していった経験を味わった人も多いのではないでしょうか。
 夢を持つ事に最初からネガティブなイメージを持つ人は、そう多くはありません。むしろ大きな夢を設定し、実現に向かって努力することで、人間として大きく成長できるのだと前向きにとらえる人の方が多いでしょう。 しかし多くの人が、夢は叶わないと知る事が、大人への入り口だと勘違いをしています。もちろんすべての子どもが優等生で、人並み以上にすぐれ、夢を実現できる訳ではありません。
 しかし、人間として最も尊いことは、学校で優等生になる事もさながら、それよりも人間としての優等生になる事だと考えます。
 人は皆、共通の人間性の上にそれぞれ違った素質、性格を与えられています。その千差万別の性格なり素質というものを、それぞれが素直に生かしてゆくところから、人としての喜びや生き甲斐がうまれてくるのだと思います。
 まずは、子どもを素直な心の持ち主、明るく強い人間としての優等生に光り輝くよう導き温かく見守りたいものです。

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