曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

命のお布施 [1776 H26年8月18日〜8月24日]

三重県 長松寺 住職 釜田隆介 老師

 いただきます。ごちそうさまでした。
皆さんは毎日食事の後に手を合わせ、この言葉を口にしていますか?
私も幼稚園、小学校のお昼に皆で言った憶えがあります。今では習慣的にこの言葉を口にしております。いただきます。ごちそうさまでした。でも一体何を頂いたのでしょうか?何をごちそうになったのでしょうか?
私たちは生きるために毎日食事をしなければなりません。肉・魚・野菜・お米など色々なものを食べますがそれはそれらの命を頂いて自分の命を養っている、と同事に命を維持するために他の命を奪わなければならないという宿業を背負うことでもあるのです。私たちは日頃、当たり前のように食事ができる環境に生きて大切なことをついつい忘れてしまっていないでしょうか?生き物たちの「いのちのお布施」を頂いて生かされているということを。
いただきます、ごちそうさまはその感謝の表しです。感謝の心を養う大切な役割を果たしています。生産者の方、それを調理してくれた方はもちろんのこと、何よりも食事の材料となってくれた物への「ありがとう」の感謝の気持ちから手を合わせ「いただきます」「ごちそうさまでした」と口にするのです。
いつの間にか食べることも、生きることさえも当たり前になってしまった私たちですが、私たちは日々「いのちのお布施」を頂きながら生かせて頂いているのです。
肉にも野菜にも命があります。野菜だってお米だって命があります。その尊い命を頂いて私の命が維持されている、大自然の大きな一つの命を生きとし生けるものが共に生きているのです。生態系の循環の中の一員として大自然の恵みへの感謝と痛みの心を忘れずに日々の食を頂きたいものです。

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