ある日のことです、子供が学校から帰ってきたら、何だかしょんぼりした顔をしていました。どうしたのかと私が尋ねると、学校でマラソン大会があったのですが成績が思わしくなかったとのことです。悩んだ子供は、お寺の本堂で「かけっこの順位がいつも下の方なので、足が速くなりますように。」とお願いをしていました。しかし、お願い事をした日以降、特に走る練習をするわけでもなく、時折マラソン大会のことを思い出してはくよくよしていました。叶えたい願いがあるのに、自分は何もしなくてもよいのでしょうか?願いを持つだけでは叶える為の行動を起こすことができず、願いが叶わない苦しみから解放されることはありません。
仏教においては、苦しみを滅する為の教えがあります。八つの正しい道と書いて「八正道」といいます。正しい見識、正しい思考、正しい語り、正しい行い、正しい生活、正しい努力、正しい意識、正しい集中力の八つの実践方法のことを言います。これらを実践することによって願いを叶える為の行動を起こすことができるのです。
願いを持つことと同時に、願いに執着することは苦しみを生み出す原因にもなってしまいます。願うことは大切ですが、それに執着しすぎないことが重要なのです。
やらな過ぎもいけませんが、やり過ぎも良くありません。何事もほどよく、丁度いいが一番いいの心持で、日々の生活を過ごしていってもらいたいものです。
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